年に3回か4回クラシック音楽好きの仲間が市民研の事務所に集って、毎回テーマを決めて、それぞれが持参したCDやDVDを再生して、語り合う―そんな楽しい集いを「クラ懇」と称して、もう6年も続けている。コロナ禍の時期は1回しか開けなかったが、先日久しぶりにそのクラ懇が開かれた(参加者は全員で7名)。
今回は『<死>からはじまるクラシック音楽入門』の著者である、樫辺勒さん(本名:片岡力さん)を招いての出版記念パーティ。この本には約200タイトルほどの曲・作品が紹介されているが、樫部さんに本作りの経緯などを伺った後、参加者それぞれのセレクトで、「死」に関連する名曲のさわりを紹介しつつ語り合った。ビーバー、バッハ、シューベルト、メンデルスゾーン、スーク、プッチーニ、マルティヌー、ウェーベルン……。有名どころから秘曲的なものまで、それぞれに熱の入った語りがなんとも魅力的で、時が経つのを忘れてしまう。やはりこのような集いはなくてはならないものだな、と感じさせられた。
「自分の葬式でかけてもらいたい音楽」の紹介もあって、樫辺さんは本文にも書かれているがシベリウスの交響曲第6番を、パーヴォ・ベルグルンド指揮+ヨーロッパ室内管弦楽団の演奏でご紹介くださった。参加者全員がうならされた素晴らしいライブ映像だった。ちなみに樫部勒というペンネームは「(か)しべ・ろく」でシベリウスの第6番から来ている。私も自分にとってもっとも天国的と思える曲の冒頭部分を紹介させてもらった。それは、最愛の音楽の一つと言えるフォーレの室内楽から、ピアノ五重奏曲第1番の第1楽章。
夕刻の食事会ではお酒もずいぶんすすみ、久しぶりに、おいしい食事とお酒と楽しい会話で満たされたひとときを過ごすことができた。樫辺さん、クラ懇の皆さん、どうもありがとう!