音楽

省察

三善晃の「反戦三部作」

ある特定の曲や演奏を毎年決まった時期に必ず聞くという習慣のある人は、きっと多いだろう。私の場合は、次の2つになる。 クリスマスの時期には、バッハのミサ曲ロ短調をまず聴き、その後に、クリスマスにちなんだお気に入りの声楽のディスク―ジャズやポッ...
音楽

涼気を感じさせる音楽は……

それを聴けば、夏の厳しい暑さが和らぐような、涼しさを感じさせる音楽ってあるだろうか? 高原の冷気やそよ風を思わせる、澄み切った、決してうるさくならない音楽。例えば、以前ブログで紹介した、以下のフルートの曲(『オルシアの物語』の特に第一曲)な...
省察

聴こえなかったと後で感じる音

ルイザ・ボラック (Luiza Borac)という、現役で活躍しているルーマニア出身の女性ピアニストの演奏を初めて聴いて、ちょっと驚くことがあった。大変高い技量を持つピアニストなのだが、ちょっと弾き方にクセのようなものがあり、そのためなのか...
音楽

ドビュッシーの「練習曲集」

私はピアノがとても好きで、弾くのはほんとに初歩的な曲しか弾けないのですが、聴くのは相当幅広くいろんな曲をいろんな演奏で聴いてきた方だと思います。心深く食い込む、自分にとっての名曲は、その「名曲」たる秘密を、楽譜を手がかりに解き明かしてみたい...
音楽

『木の匙』

寺山修司は私にとっては、かなり胡散臭い、でもキラキラする、類のない面白さを感じさせられることもある作家、である。 映画館で見たことのある『田園に死す』は、「なんだかなあ」というレベルのものだったし、エッセイの多くは妙に「政治」を意識している...
音楽

歌の素晴らしさに目覚めたのは

日本人の誰もが知る代表的な四季の歌というと、・春……めだかの学校・夏……夏の思い出・秋……小さい秋みつけた・冬……雪の降るまちをになるのではないか。 いや、春は「春の小川」でしょう、とか、「春が来た」「さくらさくら」でしょう、とか、いろいろ...
音楽

クラシック音楽の楽しみ方・私説10か条

以前に、自分が講師を務めた講座で『音楽の科学』を取り上げたことがあります。参加者が少ないのは私は全然苦にならず(1人だけ、というのはさすがに困りますが)、今回の発表は私自身の長年多くの時間を費やしてきた事柄を自分なりに振り返る、大変よい機会...
文学

高田敏子の詩と三善晃の音楽

私の好きなラジオ番組の一つに、NHKFMの「ビバ!合唱」がある。 古い録音になるが、「合唱で聴く詩人の世界(11)~高田敏子」と題した回があった(2022年4月23日)。私は三善晃の合唱曲に長年ずっと親しんできたので、この詩人の名前はうんと...
音楽

「子ども」を描いた3つのピアノの名曲

「子ども」を描いた名曲といえば何があるだろう? 誰でも知っている童謡やそのメロディーを使った変奏曲などは数多くある。「子守唄」は数え切れないほどの数になるだろう。 また、子ども(や動物の子ども)を主人公にした物語がオペラや劇になり、そこに素...
音楽

上林裕子のフルート作品が素晴らしい

ナクソス・ミュージック・ライブラリー(NML)を昨年から利用し始めて、それ以前の自分の音楽鑑賞のスタイルではおそらくなかなか出会えなかっただろう、作曲家、演奏家、ユニークな創りのアルバム、そしてすでになじみのある曲の清新な演奏……に、毎日の...