文学

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シェイクスピア劇場の思い出(3)

30代の半ばに3年間ほど、ある劇作家・演出家の新作上演のための舞台づくりに、演出助手(のまねごと的お手伝い?)として関わったことがある。演劇活動とは何の関わりも持たずにきた私なのに、何かしらのセンスがあることを見込まれたのだろう。 基本的に...
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シェイクスピア劇場の思い出(2)

この通読経験があったことで、その後観ることになった「シェークスピア劇場」の作品が格段に面白く感じられるようになったことは言うまでもない。 今となってみれば微笑ましいエピソードもある。 当時、私としては後にも先にもこれきりと言える、いわゆる「...
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シェイクスピア劇場の思い出(1)

かなり昔のことだが、NHK教育TVで「シェークスピア劇場」という番組をやっていた。調べてみると、BBCシェイクスピアの37本の戯曲全部をTV用に映像化して、1978年12月から1985年4月にかけて放送したのを、NHKが字幕をつけ、吹き替え...
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高田敏子の詩と三善晃の音楽

私の好きなラジオ番組の一つに、NHKFMの「ビバ!合唱」がある。 古い録音になるが、「合唱で聴く詩人の世界(11)~高田敏子」と題した回があった(2022年4月23日)。私は三善晃の合唱曲に長年ずっと親しんできたので、この詩人の名前はうんと...
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福永武彦・訳の『古事記』

『古事記』は言うまでもなく日本最古の書物だが、それを読み通した人はどれくらいいるのだろう?最初から原文で読み通した人は、まずいないと思われるから、何らかの現代語訳の本から入ることになるはずだ。古代史や神話に特別な興味がなければ、たとえ重要な...
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田中綾『書棚から歌を』

田中綾『書棚から歌を』(深夜叢書社2015)を読んだ。これは素晴らしい本だ。これは一気読みしてはならない本で、一日2頁か4頁くらいがいい。「短歌が引用されている本」のブックガイドなのだが、見開き2頁で1冊を取り上げて紹介し論じる、そのページ...
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「未読会」のすすめ

インドの『マハーバーラタ』や『ラーマーヤナ』は言うに及ばず、『アラビアンナイト』にしろ、中国四大奇書(『三国志演義』、『水滸伝』、『西遊記』、『金瓶梅』あるいは『紅楼夢』)にしろ、途方もなく長い物語が世の中にはいくつもある。日本だって『源氏...