古本に香料を振りかけないで

環境

「香害」がれっきとした健康被害を引き起こしていると知られて久しい。にもかかわらず、香料を含んだ柔軟剤などの消費量が減ったとも、あるいは、メーカー側が香料をそれらに添加するのを控えたとも、聞かない。使用制限や規制が設けられてもいない。製品には「周囲の方々への配慮をお願いします」とだけあって、メーカー側は「加害責任」に知らぬ存ぜぬを決め込んでいる。

じつに厚顔無恥な対応であり、そもそも無くてもなにも困らない香料を、「入っていてあたりまえ」くらいの認識でしか受け止めていない消費者が圧倒的に多いだろうことにも、ゲンナリさせられる。柔軟剤自体の成分も危険度が高いことは、ちょっと調べればわかるし、そんなものを使わなくても、衣類のゴワゴワなど、気になるのならクエン酸を少々入れるなどしてちょっと工夫すれば、なんとでもなる。そんなことも自分でやってみようとしない、メーカーの「奴隷」のようになっている消費者が多いことに、なんとも気が滅入ってしまうのだ。

ネットで買った古本にも、香料入りの「消臭剤」が振りかけられているものがあったりする。実に不快な思いをさせられる。こんなバカな「サービス」は一刻も早くやめるべきである。古本業界、しっかりしてくれ。(タバコ臭が染み付いた古本がネット販売される際に、「タバコ臭あり」と知らせてもらえるうようになってきたことには、ありがとうを言いたい。)

エコとか環境とかSDGsとかの言葉が日常的に交わされるようになったのは、一昔前に比べれば「進歩」と言えるのかもしれないけれど、不要で有害な「香り」ひとつ無くせないようでは、「たいして進歩しているとは言えないな」というのが私の実感だ。

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