漢方薬のためにロバが殺されている

環境

市民研では月に1回「科学時事・科学論文を読む」という集まりをオンラインで毎月の最終月曜日に開いている。

私の方で毎日1本ネットから拾った興味深い記事・論文を「市民研サーチライト」というページにまとめているものから、参加者には「今月の記事・論文で私が一番関心があるのはこれだ」というものを1つ選んでもらい、それへのコメントを皆が出し合って議論する、という形ですすめている。

2024年5月の記事・論文のなかから、特に注目しておきたいもの―「市民科学」的な何らかの取り組みが特に必要になると思えるもの―をいくつか並べてみよう。(以下の日付番号は「サーチライト」で整理のために付しているもの)

20240522
都市に樹木を植えれば猛暑による死者を減らすことができる:研究結果
→あわせて、次の雑誌の特集号
グローバルネット381号(2022年8月号)特集「緑の街づくり」を担う街路樹の在り方を考える

★コメント:これは、市民研の「熱と暮らし研究会」に直接関係する記事。街の特性にあわせて街路樹をどううまく増やしていくか、はすごく大事。市民が専門家や自治体と組んでどう動けるか、全国の各区の多数の地域で探っていかねばならない。「緑化」を自治体任せにしているところがあまりにも多いのではないか?

20240528
ヒトiPS細胞から卵子と精子のもとを大量作製 京大、生殖医療研究進めるも倫理上の議論必要

★コメント:これは、市民研の「生命操作研究会」で追究したい問題。専門家と市民の間での議論が早急に必要なテーマだと思われる。

20240518
@nyc ①若者の株取引 ②NYで増える“独立系書店”【動画】
20240508
書店と図書館の連携―書店の減少と経産省「書店振興プロジェクト」について 日本図書館協会図書館の自由委員会前委員長・西河内靖泰

★コメント:街の書店が次々と姿を消している。なんとか魅力的な変身を遂げることで生き残っていけないものか?上記のニューヨークの事例は「独立系」だが、これと似た試みが日本でもっと欲しい。市民研の「図書館プロジェクト」では今後、日本のユニークな図書館を訪問して取材する企画を持っているが、そこに「ユニークな書店」を加えてもいいように思う。

20240513
「水と安全はタダ」はもう時代遅れ 持続可能な”令和型”の水道とは?各地を訪れ見えてきた新たな可能性

★コメント:これはなかなか貴重な現地報告だと思う。「雨水利用」も極めて実践的な市民科学の課題だろう。墨田区など先進的な取り組みがなされている地域もある。でも日本全体でみたらまだまだだろう。地域住民が主体になって具体化する活動をもっと広げるにはどうすればよいのだろうか?

20240509
世界のロバ皮を飲み込む中国、漢方薬需要がアフリカの農村圧迫

★コメント:イラストをウェブ技術とからめて、こんなにわかりやすく上手に示した記事をはじめて見たが、そのイラストのインパクトも相まって、なんとも胸の痛くなる報告だ。動物福祉の点からも、貧困層への圧迫の点からももっと厳しく批判されねばならないだろう。この話は「密猟」ではないけれど、禁止措置をかいくぐっての売買、違法な殺処理が横行していることでは共通点があると言えるのではないか。密猟については次のような番組が海外ではいくつも作られているにも関わらず(取り締まりの強化に向けて動いているにも関わらず)、終息には至っていない。人間の欲望のおぞましさを嫌というほど感じないではいられない。
BS世界のドキュメンタリー から
「絶滅へのギャンブル~アフリカ野生動物の危機~」
「地球の破壊者たち インターポール事件ファイル: “海のコカイン” 闇のフィクサー」
「地球の破壊者たち インターポール事件ファイル: ケニアの象牙密売王」

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