5度目の正直、にならなかった帽子の話

生活

愛用の帽子をまたしても失くしそうになった。

湯島駅を出たところで帽子をどこかに落としたことに気づき、次の予定が迫っていたので、とりあえず連れ合いに電話して落胆の声で「またやってしまったよ」と今日の乗車の様子を簡単に伝えて、電話を切った。内心、さすがに5回も戻ってくることはないだろう、と諦めてしまっていた。

以前に書いたことがあるように、これまで4度、今の帽子を失いそうになった。4度も戻ってきたきたのは奇跡的だと思えたので、4回目の「取り戻し」に貢献してくれた連れ合いに、横浜の中華街のレストランで奢ったほどだ。

またしても彼女の機転の利く、鉄道会社への問い合わせで、湯島駅で落としていたことが判明し、無事手元に戻ってきた。

私は、乗車した東横線もしくは日比谷線がかなり混んでいたので、脱いだばかりの帽子を網棚にリュックといっしょに置いて、置き忘れてしまったのだと、てっきり思っていたが、不覚にも、湯島駅でホームに降車した時に、ちょっと大きな判型の本をリュックにしまおうとして鞄を大きく開けた際に中に入れていた帽子がこぼれ落ちてしまったようだ(そのあたりの記憶は曖昧だ)。4度目のことがあって以降、必ず帽子はリュックに取り付けたフックにひっかけて落ちないようにしていたのに、つい慌ててそれを怠ってしまったのだろう。

それにしても何ともありがたいことだ。暑くなる時期に、このお気に入りの帽子がないのは―それれが誕生日にプレゼントしてもらったそれなりに高価な品であることを措いたとしても―大変辛い。

ほんとうに助かった。よかった、よかった。それにしても、日本の駅の遺失物管理は優秀なのだな、と思わないではいられない。ご迷惑をおかけしております……。

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