リソグラフのこと

NPO

市民研の事務所は、2003年から本郷、2010年から千駄木、2017年から湯島、と文京区内で移り変わってきた。事務所の敷地面積も少しずつ大きくなり、湯島の今の事務所はちょうど50平米だ。

(事務所の場所の変遷については次の資料を参照
「ひと目でわかる市民研20年の歩み」(PDF) )

事務所移転にあたっては、それまでの事務の作業方式のいくつかを新しいものに切り替えるということが起こるわけだが、いま思うにそれらのなかで、湯島に移ってから事務経費のコストダウンにもっとも貢献しているのは、印刷関係ではないかと思う。

ひとつはリソグラフである。理想科学が開発した、世界中に(とりわけアジアやアフリカ諸国に)、そして小学校から高等学校までに、大いに普及している、印刷機である(私はこのリソグラフの発明は日本の誇りだと思っている)。以前、ある会社から譲り受けて、千駄木の事務所で使っていた古い機種が、部品交換ができなくなり、買い替えるしかない時期を迎えたのだが、メンテナンスの必要の有無を確かめるためにほんの時々事務所を訪れてくる、理想科学の社員の方に、積極的に話しかけて、印刷にまつわってこちらがかかえるいろいろな事情を話していたのが効を奏したのか、特別のサービスを受けることがかなった。

それは、理想科学が東日本大震災からの復興のために、リソグラフを可能な限りコストダウンして提供できるようにするために、その「試作器」―本体のいくつかのパーツをいろいろな中古機器から寄せ集めで作った、見かけ上は新製品のような仕様になっている、いわばモザイク機―を実験的に使ってもらうために、日本全体で3台だけ作ったのだが、それを使ってみないか、という話をいただいたのだ。

なんとその値段は、本体価格の10分の1の15万円。しかも事務所の引っ越しに際して、旧機器の引き取りと、新機器の2階への搬入もすべて無料。

使い始めてからこれまでで5年が経ったが、50部以上のモノクロ印刷ならリソグラフを使うことにしているので、相当な枚数を印刷したと思うが、まったく問題なく、美しく印刷できている。

自前印刷のこれほど心強い味方はない。ますます理想科学という会社が好きになった。

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