過保護は困ります

生活

2年ほど前のことだが、あるオンラインの会合で、初めて顔を合わせる10名ほどの子どもたち(小5から高2まで)を相手に、この先1年を通して参加してもらう企画の案内を、zoomを使ってする機会があった。

その時に、お一人だけ、当の子どもさんではなく親御さん(母親)が出てこられ、しかもPCが古いということで、音声なし・顔出しなしでチャットのみで参加する人がいた。

私の方から説明するなかで、月1回の体験学習の日には、とある駅(毎回別の都内の駅になる)に子どもたちに集合してもらい、そこから、体験学習をする現地(これが毎回都内の違った場所になり、最寄りの駅に集合してから向かう)に皆で一緒に赴くことになる、という事情を述べた時に、その人が「自分の子どもが今まで行ったことがない駅に一人で行かせるのは気がかりだ(どんな安全対策をほどこしているのか気になる)、といった趣旨の書き込みがあった。「駅で迷わないように集合場所ははっきりとわかるようにお伝えしますから、大丈夫です」と答えておいたが、私は内心、かなり嫌な感じがした。

顔も声もなしなので、その人が実際は何を一番心配しているのかはよくわからなかったが、私からすれば、「子どもが10歳以上にもなっているのに、初めての駅に一人で行かせるのはよろしくない、ってどういうこと?」「それって、過保護そのものじゃないの?」「こちらは子どもさんと話をしたいのに、どうして親だけが書き込みでやりとりしようとするの?」と思わないではいられなかった。

案の定というべきか、この人は次の日に、すでに申し込みしていたこの通年の体験学習の予約を取り消してきた。こうした体験学習に申し込むくらいだから、教育熱心な人には違いないだろうが、やはり過保護は困る。こうした場合に、親が前に出てくると、子ども自身がどう思っているかを聞く手立てが、どうにも取りようがなくなるのが残念だ。

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