傘と鞄のこと

グッズ

必要不可欠な日常品であるにもかかわらず、使い古したと言えない時期に、ある部分が決まって壊れてしまって買い替えを余儀なくされる、という商品がある。

例えば傘。傘が痛むのは決まって骨の部分だが、これは強風に煽られて、裏返しになったりして起こる。だが、台風とまでは言えないくらいの強風は、年に数回程度は起こるだろし、その時には必ずと言っていいほど雨を伴うのだから、こんなことでたやすく折れてしまうようでは困るのだ……という気持ちを抱いたのはもううんと昔のことだ。以来、おそらく十数本くらい傘を買い替えたように思う。ここ10年ほどで、やっと丈夫な傘が手頃な値段で手に入るようになったと思う。それまではずっと、「これは傘メーカーがわざと壊れやすくしている、陰謀ではないか」などと険悪な気持ちを抱いていた。

もう一つ、これは未だに「改善」されていない品がある。それはチャック(ファスナー)で開閉する口の付いた鞄だ(私の場合はかなり大きめのリュックで、それを使わない日はない)。傷んでくるのは必ず決まって、一番大きな開閉口でチャックを上げ下げする際に丸くカーブさせる角の部分で、そのあたりのチャックを止めている糸がほつれ始めて、チャックが浮き、そのことで結局スライダーが歯の部分からは外れたりして、使いものにならなくなる。確かにギュウギュウ詰めにすると、その部分に力が余計にかかることになるから、私の方にも原因はあるのだが、まだ十分使える(それなりに高価な)リュックが、チャックの一部が壊れたことで、使えなくなるのは悔しい。

チャックだけを取り替えられないか、さるところに相談したことがあるが、鞄本体の値段に近い金額がかかるとのことで、バカらしくなって、したことはない。

同じ壊れ方で数回買い替えを強いられたところで、はたと思いついたのが、「自分で事前に補強してやろう」ということ。チャックを止めている布の生地に糸が縫い込まれて本体とつながっているわけだが、その糸が決してほつれないように、糸の上にだけかかるように強力な接着剤を塗りつけるのだ。今のところ、このやり方が功を奏して、お気に入りのリュックが長持ちしている。

それと自省を込めて、ギュウギュウ詰めを回避するために、リュックの中には折りたためる布製のトートバックを2ついつも入れるようにしている。

タイトルとURLをコピーしました