現在40歳くらいから上の世代は、録音・録画の記録媒体が進化するのを目の当たりにした世代、と言えるのではないか。
録画では、VHS→DVD→BR、録音では、LPレコード→カセットテープ→CDやMD→MP3
などのファイル、ということになろうか。オープンリールのテープやDAT(デジタル・オーディオ・テープ)を使った(今でも使っている)人もいるかもしれない。
市民科学研究室には、主としてTVで放送されたドキュメンタリー番組や科学番組が2004年からのものはDVDに、それ以前の10年ほどのものはVHSに録画してある。その数、後者は500枚ほど、前者はすでに3500枚に達しようとしていて、いずれ保管場所が手狭になるという問題が生じることは必至であり、そして前者は劣化の問題があるので、今年から新たな対策を講じることにした。
VHSはビデオキャプチャー機器を用いて、再生機からPCをとおして外付けHDDにそのままコピーする。以前は番組の種類ごとにそれやろうとしていて、VHSの番組の頭出しに手間がかかりすぎて挫折したが、もうそれはしないで、丸ごとそのままコピーすることにした。倍速コピーができないことが残念だが、それはやむを得ない。また今年からTV録画機本体からコピーはDVDではなく、BR(ブルーレイ)ディスクにすることにした。画質をあまり落とさずに1枚で7時間強を収められることを考えると、ディスクメディアに要する費用はあまり変わらないからだ。
録画はすべて1つの外付けHDDに収めて管理、という時代も近いように思うが、ディスクを持ち歩けることの簡便さなどもあって、まだそこまでのふんぎりはつかない。
もちろんこれらの番組は手間をかけてタイトルなどを入力してリスト化している。著作権云々の問題があるから公開はしないが、いろいろな意味で、貴重な資料になっているので、「アーカイブ研究会」で新たな活用方法を編み出そうと目論んでいる。
録音メディアは、私の場合はラジオと衛星音楽放送の番組で録音したものを聞くのが主になっているから、ファイルに曲名などを付けておきさえすれば、HDDで一括管理できるので、保管場所の問題はほぼ解決している。高校生時代から録音して膨大な数になっていたカセットテープは泣く泣く処分したし、一時期は2000枚ほどもあったCDもコピーがほぼ完了し(ただしもっとたくさんあるMDはコピーがまだ終わらずおそらく今年いっぱいかかるだろう)、手元には手放すのが惜しい愛聴盤中の愛聴盤が数十枚残っているだけだ。音質について言うと、ファイルの再生がCDに劣るということはほぼない(と感じられる程度の再生力をもったオーディを機器しか使わない)。
このように個々人が様々な工夫を凝らして記録媒体の変遷・進化に対応することになるわけだが、処分や保管の問題を含めて皆がどんなあの手この手を繰り出してきたかを聞き出せれば、様々な自慢話や秘話や哀話が出てくるのではないかと思われる。