『鉄腕ガール』が面白かった

書物

久しぶりに長編漫画の一気読みをしてしまった。

『鉄腕ガール』(高橋ツトム、講談社漫画文庫、全5巻)である。

市民研の古本市に(どれでも1冊100円で)出品されていた漫画だったが、「野球漫画か……」とあまり食指が動かされないままに、最初のページを開くと、

昭和20年 日本は戦争に負けました
みんな貧しかったけれど
心は開放的で
世界がまだ難しくなる前
一人一人の個性を受け入れる大きさがありました

との巻頭の辞が記されている。

敗戦直後から占領期の日本の姿を、TV番組や写真集や歴史書や回想記や小説などで断片的に出くわすたびに、心のどこかが疼くような好奇心を掻き立てられてきたので―「いったいあの時期を人々はどうやって暮らしていたのか、もっとリアルに知りたい」―この漫画は、それに訴えるものを持っているのではないか、と感じたのだろう。

家に帰ったのがもうかなり遅い時間がだったので、読まないままに床についたのだが、夜中の3時頃に暑さで目を覚まし、すぐには寝付けない感じがしたので、この5巻本に手を伸ばした。

後はご想像のとおり。長編漫画は、はまって一気読みしてしまったものがいくつもあったが(※)、この歳でそんな作品に出会うとは。

※ざっと思い返してみて、『あしたのジョー』『寄生獣』『モンスター』『アドルフに告ぐ』『きりひと讃歌』『めぞん一刻』『おろち』『国民クイズ』などが挙げられる。さすがに古いものが多いな。

感想は記さないが、「加納トメ」は、漫画で出会った、セリフまわしもかっこいいい最強のヒロインであることは記しておこう。

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