統計学入門の素晴らしい書物とサイト

サイト

私はこの半年ほど、市民科学研究室の「土曜講座Ⅱ自分で調べるための統計学」の講座(月1回)を担当してきた。その準備で、かなりたくさんの統計学の学習書や解説書、そしてネットで公開されている入門者向けのサイトに目をとおしてきた。

「あっ、この説明の仕方はうまいな」「この図解はよくできている」「なぜこの式になるかを、省かずにきちんと説明している」「この演習問題はすごく実用的だ」……と思えるような部分をうまく抜いて、再構成して毎回テーマを決めて2時間の講座を組む、という具合にすすめているが、思っているようになかかなうなくいかない。どの本もどのサイトも一長一短があって……という思いをずっと募らせてきて、最近になってようやく、初心者の人に間違いなくおすすめできる本とサイトに行き着いた感じたしている。

それをここに記しておきたい(本はどちらも値段が少し高いが、フルカラーの図解による説明が非常によくできているので、むしろお得感があるのではないだろうか)。

『基礎から学ぶ 統計学』(中原治・著、羊土社、2022年)
『カラーイメージで学ぶ<新板>統計学の基礎 第2版』(市原清志、佐藤正一、山下哲平・著、日本教育研究センター、2016年)

後者は前者を通読した後に読むと、種々の概念がより的確に整理されて頭に入ってくるのではないかと思う。

ネットにある次のサイトも素晴らしい。
工業大学生ももやまのうさぎ塾

数学や情報科学にかかわる基礎事項を数多くとりあげて解説しているのだけれど、具体的な実例の計算を丁寧に随所に挟み込んでいるので、公式や定理の意味や使い方がよくわかるだろう。統計に関するページも「高校数学」「大学数学」の項にかなり含まれていて、こんなに楽しく一気に読める統計学入門講座は他にないように思う。大小(長短?)100近いサイトを閲覧してきた者として、強くお勧めしたい。

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