迷うのは必ずしも悪いことではない。
新年にあたっては今年の目標や抱負を語るのが習わしなのだろうが、それは措いておく。
昨年を思い返しても、「年内にここまではやっておきたい」と思い定めていたことがいくつもあったが、その10分1も満足にできていない。まあ、それは言ってみれば、「今年のうちにこの100冊は読んでおこう」と決めていたのに、そのうちの数冊しか読めていない、という状態に近いだろうか。それにもかかわらず、毎年同じような、(達成できそうにない、妙に遠大な)目標を掲げることを繰り返している。本当に懲りない、というべきか……。
昨年の大晦日の前の日に、杉並区の西荻窪のある会館で、私が講師を担当しての、騒音計・低周波音測定器の使い方を学ぶ学習会が開かれた。外環トンネル工事に関わって住民運動をすすめる方々6名が集った(杉並区の区議さんとM市の市議さんが1名ずつ加わっておられた)。私の方からはこれまでに手掛けてきた測定活動で少しずつ学んできたことを、まとめてお伝えし、住民の人たちが、区議さんの助けを得て購入した測定器で今後、効果的な測定活動をすすめられるように必要な知識を得ておく、というのが学習会の狙いだった。専門的にかなり煩雑な部分もあり、私自身もまだよく飲み込めていない点もありはしたのだが、初回の試みとしては、まあうまくいったのではないかと思う。
申し訳なかったのは、私が会場に20分ほど遅刻してしまったこと。「◯◯会館」という名称に引きづられて、最近の公民館風の建物だと思い込んでいたせいか、昔ながらの寄合所の風情を残すその建物の入口を見過ごしたまま通過して、あたりをうろうろしてしまったせいだ。
でも、「善福寺川を超えることはないよな」「この坂は川に向かう傾斜だな」「こんな公園もあるんだ」「古いけど立派な構えの民家もけっこうあるぞ」……と、迷ってあせりながらも、目に入ってくる風景が意外と面白くて、「いやー、このあたり、ゆっくり散歩してみたな」と思ったのだった。
近所の住民とおぼしきお爺さんがいたので、「◯◯会館ってどこでしょうか」と尋ね、「ここだよ、目に前のここ。入口はちょっと横に入ればあるよ」と教えてもらって、やっと到着。当然、皆さんすでに部屋に集まっておられました……。
会場の皆さんには悪かったのだけれど、もしGPSのナビなどを使って迷うことなくたどり着いていたとしたら、周りのことなど気づかないままだっただろう。そう思うと、迷うのも悪くはないのかもしれないな、という気がちょっぴりしたのだった。
◆今日のおすすめ
今年1年、世界が平和であることへの祈り込めて、昨年出会った一番の合唱曲に耳を傾ける。
Lucy Walker: Choral Works


