2つの美術展:ゴヤとブランクーシ

美術

先月と今月、なんとしても行ってみたいと思わせられる、美術展のお知らせを偶然続けて目にすることになり、嬉しかった。

一つは、もう会期は終了したが、ゴヤの連作版画「戦争の惨禍」の連作全点と連作外の2点を合わせた計82点を一挙に披露した―日本では初のこと―真理はよみがえるだろうか:ゴヤ〈戦争の惨禍〉全場面』(2月27日〜5月26日、国立西洋美術館)だ。

私はゴヤを史上の最高の画家の一人と思っているので、何冊かの画集でこの連作を眺めてはいたし、関連する書物の記述にも触れてきてはいたが、実物の全部を目にするのは初めてだった。

これほどまでに残酷で凄惨なシーンを人を驚倒させんばかりのデッサン力で描いた作品はあるのだろうか?

決して大きくはない会場だったが、3時間ほど凝視するように眺めて、見終わった時には、身体が痺れるような感じになってしまった。

もう一つは、今会期中の『ブランクーシ 本質を象る』(3月30日~7月7日、アーティゾン美術館)だ。

これは本日、録画したTV番組をダビングする作業の間に知ることとなった。テレ東の「新・美の巨人たち」で昨日(2024年6月8日(土)22:00-)にブランクーシが取り上げられていたことを知り(番組ホームページで)、そこにこの美術展のことが記されていたからだ。私が好きなタレントでモデルさんの市川紗椰さんが出演していたこともあって、「録画を観てみよう…」とすると、不覚にも、他に録画した番組との重複が原因で、録り損ねてしまっていた。朝早い時間だったのに「ああ、残念!!」と大きな声を出してしまったのだが(私はこの番組は再放送されないものと信じ込んでいたから)、まだ寝床にいた連れ合いが、ごそごそとスマホをいじってくれて、「来週の土曜日にするみたいよ」と教えてくれた。助かった!

この番組は1週遅れて同じく土曜日の、「テレ東」ではなく「BSテレ東」の23:30-で再放送されると、初めて知ったのだった。(番組ホームページにはそのことがはっきり書かれていない。)

ブランクーシは私が一番好きな彫刻家だ。以前パリに滞在した際、ポンピドゥーセンターに併設されている「ブランクーのアトリエ」を訪れ、そこで過ごした時のことが忘れられない。(ちなみに、私が所有する最も高価な書物も、ブランクーシの作品図版だ。)

なんとか時間を作って、上記のブランクーシの作品展を観てこよう。

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