自宅で音楽を聴くのに、据え置き型のスピーカーかヘッドフォンか、そのどちらを使うことが、あなたは多いだろうか。部屋の広さや作り、同居する人などの事情で、それは変わるだろうが、「価格と性能」もそのことに関連するだろう。
いわゆるオーディオでの再生音の音質の良し悪しは、ほぼスピーカーで決まる。最近のデジタル技術の進歩のおかげで、PCから再生した音であっても、1万円もしないDACを通すだけで（あるいはPCによってはそれを通さなくても）、相当な高音質を得ることができる。スピーカーだけは、1万円程度で……となると、せっかくの高音質がそこで萎んでしまうことになる。そこで低価格で高音質を楽しむために、ヘッドフォンに頼ることになる。
私はリラックスして聴く時は主としてスピーカーを―これまでの人生で唯一の「贅沢」と言えそうな買い物で手に入れた2機種のどちらかを使って―聴くことが多いが、初めての曲やうんと集中して聴きたい時は、ヘッドフォンを使っている。
私が長年使っている愛用のヘッドフォンは、次の2つである（どちらもヤフオクで2万円ほどで手に入れた）。もし極上の音質のヘッドフォンを探している方がいるなら、私はこれらを自信をもっておすすめする。
・ソニーMDR-Z1000
・beyerdynamic DT 1770 PRO
音質的にはもうこれ以上は不要と思えるほど、私はこの2つに満足している。
ただ、はやり密閉型でやや重いので、長時間頭に被せているのはちょっと辛いな、と思える場合がある。そこで、以前から気になっていて狙っていたのが、次の機種である。
・アシダ音響株式会社 ST-90-05
これは素晴らしい。半年待ちで手に入れたかいがあった。軽くて、丈夫で、上記2種を超えるというわけではないが十分に高音質で、しかも6600円。普段用にはもう理想のヘッドフォンと言えるのではないか。小さな専門メーカーの心意気を感じる、文句なしのおすすめ品だ。
