老いを測る/記録する

生活

70歳を超えた方々からしばしば聞かされるのは、70歳を過ぎる頃から「自分の身体が思うように動かなることが多くなる」「物忘れが激しくなって嫌になる」「疲れやすくなって出歩くのがおっくうになる」……といったことだ。

最新の統計では、日本人の平均寿命は男性が81.09年で女性87.14年、そして健康寿命は男性が72.68年で女性が75.38年、というから、確かに70歳を過ぎる頃から老いを急激に感じ始めるのが普通なのだろう。

老いを避けることは誰にもできないが、90歳になっても矍鑠(かくしゃく)とした人がいることからわかるように、高齢者の元気さの度合いは非常に個人差が大きい。なので、せめて要介護とならざるを得ない期間をできるだけ縮めるべく、「老いに備える(老いから来る不具合をできるだけ先送りできるようにする)」何かうまい方法があるのなら、誰しもそれを60歳を過ぎた頃から取り入れていきたいと思うことだろう。

私自身はいろいろ思いつくことがあり、そのうちのいくつかを実行しているとも言えるが、一つ、今年から始めてみたいと思っているのは、「自分の老化を記録する/測る」というものである。

「あっ、以前と違って、〇〇がやり辛くなってきている」
「これまで、◯◯を忘れることなどなかったのに」
「階段を◯◯段上がっただけで、息切れがするようになった」
……
といった類のことを、できるだけ記録して、数値化できそうなものはそうしていく。白髪化、視力の低下、風邪のひきやすさ、嚥下のしづらさ、夜間尿や頻尿……おそらく誰にでも起こってきそうな事柄も含めて、気づく限り、メモに残していく。もちろん、自分なりの「老化対策」があれば、その実行の具合と、もしその効果を感じたのならそのことも。

こんな「老いの自己記録」をつけている人がどれだけ世の中にいるのか、まったく知らないが―日記をつける習慣のある人なら自然にそうしたことを随時記しているだろうけれど―、なかなか面白い試みだはないかと思う。

タイトルとURLをコピーしました