消えゆく古本街、古書店

生活

いつか詳しく書いてみたいことの一つが、古本屋や古本街にまつわる今までの経験や思い出だ。

なにせ、ここ10年数年で(コロナ禍の後が著しいようにも思う)、関東圏でその歴史を誇ってきたいくつかの古本街がすっかり衰退し、個性的な古本屋もどんどん消えていっているので、豊富とも言えないような私のいくつかの経験でさえ、哀切の思いなしには振り返れなくなっているからだ。

ここ数年、本郷通りに行くたびに、「貸店舗」に姿を変えた古本屋がますます増えて、半分廃墟の通りであるかのように見えてしまって、毎回、愕然とするのだ。神保町を唯一の例外として、東大、早稲田をはじめとしてそれなりに「古本街」の趣のあった街は、みな同じような変貌をとげているのではないか。

古本屋の激減も辛い。私が昔(20年ほど前の時期)目黒区の碑文谷に住んでいた頃、学芸大学駅周辺には最盛期には8つの古本屋があった。それは例外だとしても、今はたった2店舗だけ。寂しい限りだ。

個性的な店であればあるほど、廃業してしまうと、その店で他では手にできない本を手にとってほかではゆっくり眺めるという独特の楽しみが―その空間の雰囲気と佇まいのなかに身を置くという楽しみも―もう二度と味わえなくなる。

この思いを、思いだけに終わらせたくないのだが―つまり良い古本屋が存続できるように応援したいのだが―、そのやり方がわからない。消えていくに任せるしかないのが、辛い。

◆今日のおすすめ

こんな本が古書店では手に入ったりするのだ、というのことの例として。
今では専門家以外で言及する人が少なくなってしまったかにみえるが、哲学者のBertland Russell は哲学・哲学史の概説書を書く人としても一流だった(英文も達意明解、決して易しいとは限らないが)。最近古書店で見つけたのは、随分昔に図書館で借りて読んだ『西洋の知恵』(Wisdom of the West)という本の原著を、学生向けに編集した新書サイズの学習書。上下のうちの下のみ。100円で手に入れた。
アトム現代英文双書809 「西洋の知恵Ⅱ」(ラッセル・著、学生社1972年)

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