昨日(6月22日)、この6月から始めた「土曜講座」の第4週目のメニュー「土曜講座Ⅳ 市民が活かす情報技術」と題した講座の第1回目を開催した。
最初に、「自分がPCを使う上で、どんなことで困っているか(困ったことがあったか)」を尋ねると、6名の参加者から、それぞれ皆違った種類の体験が語られて、それらすべてが「そうだよね」と皆が同意したくなるようなものばかり。バックアップのこと、パスワードのこと、ネットへの接続がうまくいかない、WindowsとMacの互換性、スパムメール、フィッシングサイト……。
ほとんどすべての人がPCを日常的に自ら使うのが当たり前になっているなかで、これほどトラブルや操作上のつまづきなどを頻繁に経験する機器もまずない、と言っていいほどであるのは、考えてみれば、驚くべきことだと思える。
多くの機能をそこに詰め込めば詰め込むほど「便利」にはなるけれど、どうも新たなトラブルや、ややこしさが生じるようで、なかなか、使いやすさ・快適性・簡便性が一直線に向上していくものではないようなのだ。個々のつまずきをその都度なんとか克服しながら、いわば見よう見まねで、自分なりに使いこなせるようになっていくというのが、通常の「PCの技」の覚え方になっている。
しかしはやりこれはちょっと違うのではないか。PCにはほかの機器にはない特性があるからこその、独特の扱いの難しさや留意点が出てくるのだから、その「特性」が何であるかをある程度把握すれば、いくつもの種類の難点がどうつながっているかがわかる。それがわかると、トラブルを回避するために何を前もってしておくべきかがある程度見通せる(理屈としてに納得できるようになる)。これが重要なのではないだろうか。
講師のYさんは「OSの(再)インストールがとても大事で、そのやり方は小学校ででも教えるべきだ」とおっしゃっていたが、「OSって何だ」ということが分かってさえいれば、「PCの不調に根本的に対処するにはそれが鍵になるのだろう」と納得できるはずだ。
ネット接続のトラブルも同様のことが言える。「なぜつながらないか」の理由の詳細は理解できなくても、「つながる」仕組みの基本を知っていれば、事前の予備的措置、トラブルに見舞われたの際にとるべき適切な対処が、もっと的確に把握できるようになるだろう。
中学校や高校で、どれくらいの「情報技術教育」がなされているのだろうか。ここに今述べたような内容を実際に教えているとう話を私は聞いたことがない。
ひっとして今回の連続講座は、そうした公教育で取り込まれるべきコンテンツを、数名の大人を相手に披露し、皆で議論しながら、作る上げていくものとなっていくのかもしれない。