クラシック音楽の楽しみ方・私説10か条

音楽

以前に、自分が講師を務めた講座で『音楽の科学』を取り上げたことがあります。

参加者が少ないのは私は全然苦にならず(1人だけ、というのはさすがに困りますが)、今回の発表は私自身の長年多くの時間を費やしてきた事柄を自分なりに振り返る、大変よい機会になりました。

また、オンラインの講座のなかで、サンプルの音源を紹介しながら解説するというのも、自分にとっては初めての試みだったので、それも面白かったです。

一気に2時間近く話してしまい(それでも最後の部分などいろいろ割愛することになった)、参加者の皆さんとやり取りする時間が30分以下になってしまったのは、申し訳なかったです。

サンプルとして冒頭の30分の動画を公開していますので、興味のある方はどうぞ。

もし、あと1時間くらいあれば、『音楽の科学』と関連付けて、「クラシック音楽の楽しみ方・私説10か条」を説明したかもしれません。それをここに雑談として記しておきます。

1)曲を聴く時は、指揮者や演奏家になったつもりで、その動作をしながら聴く。
ピアノでもヴァイオリンでも何でも、弾けなくてもそれらしい「マネ」をする。「それらしい」感じは、指揮者や演奏家の姿をじっくり見るという経験を重ねると、段々できるようになる。

2)指揮者になったつもりで、演奏の指示を出しながら聴く。
これはかなり高度な楽しみ方。よく知っている曲ならなんとなくできるが、馴染んでいない曲はさすがに難しい。それが若干できるようになると、「予測しながら聴く」という深い楽しみ方につながる。

3)演奏する姿を観ながら聴く。
これは誰でもやっている。コンサート、テレビ番組、DVD……。目にする姿について、自分にとっての新たな発見があるか、どうか。

4)聴きながらメロディーを一緒に歌う。
ハミングや口笛でもかまわない。1)と2)も伴えば、言うことなし。

5)聞こえてくるメロディーにハモる音を声で添えていく。声で伴奏する。
先の講座で説明した「コード進行」が使えます。これができると、「一人コーラス」が楽しめます。

6)楽譜を見ながら聴いて、「ここが面白い」という部分をチェックする(ピアノなどでなぞるのもよい)。
若干、楽理や楽譜の知識が必要ですが、「なぜその部分が特にいいと思うのか」の謎に迫ることができるかもしれません。

7)気に入った作曲家や演奏家の「追っかけ」をする。
一人の作曲家の主要作品を作曲順に全部聴いてみる、といったやり方は、おそらく一番深い音楽との付き合い方になるでしょう。

8)「西洋クラシック」以外の音楽で、好きな音楽を自分なりに見つけ、細々とながらも聴き続けていく。
ジャズ、ラテン音楽、ケルト音楽、ガムラン……たいていの図書館に置いてある「世界民族音楽全集」なども手がかりにできると思います。

9)作曲家の伝記や音楽史の本などを覗いてみる。
曲への深い興味が出てくると、伝記や研究書もおもしろく読めます。ここ10年ほどでネットの情報も本当にすごいものがいろいろ出てきましたね。

10)好きな曲のことを言葉にしてみる、他の人に語ってみる。
これはとても大事ですね。言葉にできない体験を言葉にしてみること……ということ自体が面白い。音楽の不思議さに一層分け入っていく感じにならないでしょうか。

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