心に突きささる人形アニメ『Save Ralph』

科学と社会

これほど痛烈な皮肉が効いた作品を観るのは久々だと言える。観終わって、誰もがしばし、うなだれざるを得ないだろう……。

動物実験の問題性を訴えるために、動物福祉団体「ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(HSI)」が制作した、4分ほどの短編アニメーション『Save Ralph(ラルフを救って)』(2021年)だ。

操り人形(パペット)を使ったアニメーションで社会問題を扱ったものには、ヤン・シュヴァンクマイエルなどチェコの巨匠らに、シュールレアリズム的なものも含めて、いくつかあることは知っているが―映画館で作品を観たり、ちょっと高価だったがDVDを買って持っていたりする―、このアニメ作品もじつにレベルが高いと思う。声優も一流の人を使っているようだ。可愛い動物やペットとして愛玩される動物の人形が巷に溢れているだけに、激烈な効果を生む―その発想と手腕に脱帽だ。

それにしても、「人間のためにやっていることだからがまんしゃなきゃ」の台詞が心に突き刺さる……。

『Save Ralph』


『Save Ralph』日本語字幕付き


『Save Ralph』のメイキング

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