『料理ノ御稽古』

本の話

私は、昨年お亡くなりになった嵐山光三郎さんの著書のファンで、古本屋で見つけるたびに(あまり高価でなければ)購入して読んでいる。

私は昔はTVをあまり見なかったので、はっきりした記憶はないが、一時期はTVにもよく出演されていたように思う。あの目を細めた丸顔の笑顔は、一度見たら忘れならないものであり、誰もがほっこりさせられるのではないか。

猛烈な数の本をお書きになっているけれど、決して「書斎の人」ではなくて、歩き、食べ、作り、浴し……と、自ら行動して体験する人、という感じがする。平凡社の『太陽』『別冊 太陽』の編集長もなさっていたようだから、作家や創作者との交友関係も広く、編集やデザインのセンスにも長けていた方のような気がする。

つい最近、古い文庫本で『料理ノ御稽古』(光文社文庫1986)とい写真をたくさん収めた料理本を古書店でみつけた。パラパラとみると、嵐山さんのシェフ姿などが随所にあって、それだけでも楽しい。そしてその序文がなかなかなの名文だ。その一部を引いてみる。

「(前略)私は、自分で料理したことがない食通を信用しない。一流店の味を数多く知っていてもその素材を知らないかぎり、もう一歩奥へと踏みこめない。失敗しながらも、自分で料理することによって、素材がもともと持っている味の七変化がわかるからであります。料理は想像力である。(後略)」

冒頭の料理が「マダイのカマボコ」となっているが、まさに、近々私が「東京都フリースクーリ支援事業」に応じて、あるフリースクールで実施するのが「カマボコ作り」だ。面白い偶然だと思う。

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