音楽

思い出話

恋情と結ばれた音楽

実らなかった恋愛を人は他人に語りたがらないものだ。でも、実らなかったがための、つれなくも心残りするその程度は様々であれ、実ることへの期待を秘めて身を焦がしていた時期に、その想いと深く交錯するある特定の音楽があったとすれば、時間を経て、その恋...
音楽

「最期」の曲で語るクラシック音楽(史)

もし自分が音楽の本を1冊だけ書くとしたら、どんな本を書きたいか。深く愛好する幾人かの作曲家を扱った評伝的なエッセイか。(でも海外で出版されたものや若い日本の研究者が著したもので良い本が次々と出ているので、よほど独特の視角からその作曲家を扱わ...
音楽

この世で一番美しく哀しい音楽

「あなたにとってこの世で一番美しく哀しい音楽は?」と聞かれたら、あなたはどう答えるだろうか。「そんなの決められるはずがないではないか」―そのとおりなのだけれど、それでもあえて選んでみると、私には、昨年生誕150年を迎えた、モーリス・ラヴェル...
音楽

Beatrice Berrut (ベアトリス・ベリュ)というピアニスト

Beatrice Berrut (ベアトリス・ベリュ)という、スイス出身の若い(といっても今年40歳になる)ピアニストがいる。 日本ではあまり知られていないピアニストのように思えるが、ヨーロッパでは人気がある人だとのこと。 私はつい最近NM...
省察

三善晃の「反戦三部作」

ある特定の曲や演奏を毎年決まった時期に必ず聞くという習慣のある人は、きっと多いだろう。私の場合は、次の2つになる。 クリスマスの時期には、バッハのミサ曲ロ短調をまず聴き、その後に、クリスマスにちなんだお気に入りの声楽のディスク―ジャズやポッ...
音楽

涼気を感じさせる音楽は……

それを聴けば、夏の厳しい暑さが和らぐような、涼しさを感じさせる音楽ってあるだろうか? 高原の冷気やそよ風を思わせる、澄み切った、決してうるさくならない音楽。例えば、以前ブログで紹介した、以下のフルートの曲(『オルシアの物語』の特に第一曲)な...
省察

聴こえなかったと後で感じる音

ルイザ・ボラック (Luiza Borac)という、現役で活躍しているルーマニア出身の女性ピアニストの演奏を初めて聴いて、ちょっと驚くことがあった。大変高い技量を持つピアニストなのだが、ちょっと弾き方にクセのようなものがあり、そのためなのか...
音楽

ドビュッシーの「練習曲集」

私はピアノがとても好きで、弾くのはほんとに初歩的な曲しか弾けないのですが、聴くのは相当幅広くいろんな曲をいろんな演奏で聴いてきた方だと思います。心深く食い込む、自分にとっての名曲は、その「名曲」たる秘密を、楽譜を手がかりに解き明かしてみたい...
音楽

『木の匙』

寺山修司は私にとっては、かなり胡散臭い、でもキラキラする、類のない面白さを感じさせられることもある作家、である。 映画館で見たことのある『田園に死す』は、「なんだかなあ」というレベルのものだったし、エッセイの多くは妙に「政治」を意識している...
音楽

歌の素晴らしさに目覚めたのは

日本人の誰もが知る代表的な四季の歌というと、・春……めだかの学校・夏……夏の思い出・秋……小さい秋みつけた・冬……雪の降るまちをになるのではないか。 いや、春は「春の小川」でしょう、とか、「春が来た」「さくらさくら」でしょう、とか、いろいろ...